満足度★★★★
「ヨネクラ文字」にニヤリ
故郷を離れ東京に住んで久しいキヨシが久々に帰省した博多で振り返る昭和32年夏から33年春までの数ヵ月…。
西鉄ライオンズの勝敗に一喜一憂する町で近所のオバちゃん、映画監督に憧れるニイちゃん、在日朝鮮人の少女やヒロポンを打ちながら仕事をする娼婦などに囲まれて育ったキヨシの小学生時代がどこか懐かしく、今は失われてしまったナニカが舞台からあふれ出て来るよう。席が最前列だったので、そのあふれて来る度合いも格別か?(笑)
物質的・環境的には当然現在の方が富んでいるにもかかわらず、本当の豊かさとは何だろうなどと考えさせられたりもして。(あぁ、何たる紋切り型表現!(爆))
昭和33年の早春、相次いで訪れる別れがまた切ない。死別は1人だけとはいえ、それ以外での別れもあれだけ集中すると…キヨシ少年の心中、お察しいたします。
なお、美術がヨネクラカオリで、広い舞台だけにもちろん装置が段ボール製などということはない(笑)ものの、優勝パレードを観る場面での旗に「ヨネクラ文字」を見出してニヤリ。