満足度★★★
レミゼよりも長い上演時間 3時間25分休憩なし
僕が見た回の上演時間は、3時間25分 休憩なし。
長い演目の代名詞だった以前のレミゼよりも、映画タイタニックよりも
延々と続いた、この作品。
楽しいし、サービス精神も満載なんだけど、
カーテンコールで、さんまちゃんが
「2時間過ぎた辺りから、あっちこっちで時計を見るのは、
遠慮してください、演者がやりにくい」と愚痴るのも仕方がない。
かなり長い、エコノミー症候群になってしまう。
パブリックシアターの2階C列って、
お子様用の椅子というか、洒落たバーの椅子みたいに
高い座りになっているんですね。
足元にペットボトルを置いておくことも、
足元に置いた鞄からアメちゃんひとつ出すのも大変。
隣の兄ちゃんは、鞄からハンカチ出そうとして、思わずバランス崩して
床にバタバタ落としちゃってました。
芝居がユルイし、周りも「この椅子だし、この上演時間だし、
しょーがないよな」って感じで、騒音にも寛容。
3時間25分のうち、ドラマは1時間30分くらい、
残りはさんまちゃんのコント。案内は上演時間約3時間となっていたので、
コント部分の尺次第なのでしょう。
演劇界に残る名作といってもいいパルコで見た「七人くらいの兵士」は、
2時間で収まった上に、ラストのカタルシスは本当に素晴らしかった。
その後は一定水準はあるものの、
どうしても比べると中身が薄く見応えに欠けていた。
今回も、否が応にも、同じカンパニーでの上演ということで、
比較してしまうと、密度の薄さは否めない。
さんまちゃんのコントのシーンが、ドラマの薄さを
埋めていたと言ってしまうと、言い過ぎか。
期待の羽野晶紀は、かなり所帯じみてしまったというか、
彼女の個性である天真爛漫さが感じられないのに、
昔のキャラを生かそうとするから、哀愁漂ってしまう。
他のキャストは、宛書しているだけあり、
テレビと見ている個性そのままで、ある意味安心して見られる。
山本太郎は、そのまんま「パッチギ」である。
それでも、多少の中だるみはあるにしても、
クライマックスまでテンションを保つ内容は、さんまちゃんにつきる。
これが、同じ上演時間、同じようなキャパで上演する
小堺との違いであろう。
テレビでは見せない毒や、陰影が
舞台ならではの醍醐味を見せる。サービス精神も満載。l
ある意味、藤山直美公演のように、大劇場での
喜劇でも通じるのだろうけど、
コクーンしかりルテ銀しかり、今回の劇場くらいの
キャパで、上演するスタンスは芸の大きさを知っているのであろうと
感服。
シェークスピア俳優、吉田氏の参加は驚き。
これがドラマに厚みを持たせている。
舞台育ちでありながら、さんまちゃんの芝居を盛り上げる
役者陣の器用さも含め、チケット代の価値は十分ある。
でも七人くらいの兵士くらいの作品には遠く及ばない。
また、あんなクオリティな作品、創られないかなぁ。