青木さん家の奥さん 公演情報 青年団「青木さん家の奥さん」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    若手の座組みで成功した名作
    先週に続き、青年団・南河内万歳一座のコラボ企画による
    青年団版「青木さん家の奥さん」を観てきました。
    南河内万歳一座の代表作でありながら、これまで批評しか
    読んだことがなく、ずっと観たいと思い続けていた作品。

    “静かな「青木さん家の奥さん」”と銘打ったが、じゅうぶん
    賑やかだった。主力が海外公演中ということもあり、
    若手による公演となったが、それが功を奏してテンポ良く
    楽しめる舞台となった。
    みんな役になりきって、実に楽しそうにやっている。

    しかし、このように演出や俳優によっていろんな楽しみ方ができる作品を
    書いた内藤さんはスゴイなぁと改めて感心した。
    本家のほうも観てみたくなった。

    青年団はやや観客層の年齢が高いので、ここのような感想欄
    のカキコミが少ないのだろうか。

    ネタバレBOX

    流れだけ観ていると、店員の新参者いじめのようだが
    どうも違うようだ。
    ケータイが登場しており、話は現代の設定である。
    だとすると、昭和30年代のように酒屋の配達が忙しいはずはないのだ。
    いまどき何人も店員がいて、配達区域の線引きで揉めるのも
    腑に落ちない。
    事実、店員は配達には出かけていないうえ、店にも出ていない様子だ。
    この三河屋の店員たちのやりとりすべてが妄想による“ごっこ”なのか。
    終盤に「にせの青木さん家の奥さん」が青木さんの家の伝言を伝えにくる
    のだが、青木さんという家に超美人の奥さんがいるということ自体
    架空の話らしい。
    「ツインタワー双子美人姉妹」も実在の白川姉妹から店員たちが勝手にデッチ上げた偶像なのだろう。
    そもそも大勢の店員たちも実は偽者なのかもしれない、と思う。
    そんな謎解きのような楽しさがある。

    ここ数年、私は実在の酒屋さんを見てきたが、確かに最近の店員さん(経営者家族)はヒマそうで話好き。おばあさんと一緒に深夜まで店先のTVでずっと時代劇を観ているという変わった中学生の孫娘もいたっけ(笑)。

    白川姉妹やにせの青木さん家の奥さんがビールを勝手に飲んでしまう
    シーンがあるが、昭和期はどこの酒屋も江戸時代同様、一杯いくら
    の有料で店内でも酒を飲ませており、常連客など勝手についで飲んでしまう
    光景があった。ときには飲み逃げ客もいたものだ。
    そういうことを知っていてこの芝居を観ると、この場面がさほど荒唐無稽な
    ドタバタには見えない。

    ひとつ気になったのは「青木さん家にはインターホンがなく呼び鈴」と台詞で
    言ってるのに、擬音は「ピンポーン♪」とインターホンにしている。
    呼び鈴なら「チリン」だし、せめて旧式のブザー音くらいでないと可笑しい。
    細かいことだが、妄想話にしてもこういうツジツマは合わせてほしいと
    思った。

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    2009/09/14 14:08

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