極めて美しいお世辞 公演情報 箱庭円舞曲「極めて美しいお世辞」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    演劇にとって美とは何かを考えさせられた。

     ストーリーは現実に美容師の現場で起こっているような出来事を、若干デフォルメしながらもストレートに表現している。感情移入しやすく、また演劇の現場でも常にある葛藤だと思った。

     会話が面白く、また人間と人間の気持ちのぶつかり合いが見事に表現され、常に独特の緊張感があるドラマだ。途中でだれることなく、最後まで集中して楽しめた。

    ネタバレBOX

     ちょっと変わった演出家の前説から一瞬の暗転で舞台が始まるところがかっこよかった。その後も各シーンの最後の音楽の入り方がセンスよく、シーンのつながり方が生き生きとしていた。

     美容院を舞台に、美を徹底的に追究する人間と、要領で生きていく人間とを対比し、美意識だけでは生きていけない現実を赤裸々に描いている。

     美容室の新米店員蓮見哉子を演じた清水穂奈美の個性的な明るさが面白かった。オーナーの奥さんでありながら、ちょっと卓越した存在の徳江美尋を演じた津留崎夏子も魅力的だった。一見悟りを開いたような雰囲気を醸しながら、ラストシーンでマネキンの頭に剣玉を刺すところは衝撃的だった。

     ただ、この美尋、長時間、剣玉を使って遊んでいるが一度も成功しない。演出的には、ラストシーンだけは見事に入って終わりにしたかったと思ったが。(笑)

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    2009/09/12 23:26

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