満足度★★★★
Vシネマか、韓流ドラマ的な舞台
Vシネマ、もしくは韓流ドラマのような安っぽい話である。
それでも、休憩を入れて約2時間40分、しっかりと
見応えがあった。
それは、TVドラマのようにテンポのよい、
故野沢氏の脚本の力が大きいだろう。
見え場となる台詞や、場面転換などにメリハリがあり、
話の流れにリズムがある。
それと加え、主役の「パッチギ!」井坂の力が大きい。
そう、ものすごいオーラと存在感があるのだ。
友達や端役で、流行のイケメンもお約束で華を添えているが、
それとは比べられないほどの圧倒感がある。
これが、スターになれる資質と、そうじゃない人との
違いなのだろう。
どんなにがんばっても内から出る力が
ショービジネスの勝ち負けになるのだ。
少し前で言えば、石原裕次郎とか高倉健になれそうな
逸材。
背も高いし、いろいろな役を通じ、上手に育ててあげてほしい。
逆に不幸な例が、ヒロインのshelaという女の子。
浜崎あゆみを目指してます的なキャラで出しているが、
こうなんだか痛々しい。
エンターテイナーとしての域に達していない。
自分の世界に収まった自己満足な歌であり、
誰かに何かが伝わる、また伝えようとする力が
足らない。
また卍の形をした、舞台装置が秀逸。
作品の陰陽を映し出すのに成功している。
インスタントなイケメン作品や、
コミック作品が氾濫する中、
同じイケメン作品のラインにあるであろう、この作品は
数歩上を行く格のある作品に見えた。
そう、怪獣映画の中の「ガメラ3」みたいにね。
それにしてもガラガラな客席には、閉口
博品館に100人もいなかったんじゃないか。
これだけ客がいないと、
いくら舞台の上はプロとは言え、寒いよなぁ。
もっと熱い空間で演じれば、
また雰囲気も変わっただろうに