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マリンバ(243)
投票を終えて
若手劇団のショウケース。4時間余りかけて見る。衆議院選挙の投票には観劇前にちゃんと行きました。
ネタバレBOX
劇団競泳水着は2年前からちょくちょく見ている。作者の上野友之には恋愛伝道師の称号を授けたい。何組かのカップルを並べて描くという作風なので、上演時間が1時間と短くなってもあまり影響はなさそうだ。脇役で、恋の応援団的な存在を演じることの多い大川翔子が、今回は渦中の人をきっちりと演じていたのが印象的。
ナカゴーは今年に入って1本見ている。超能力を持つ生徒だけのクラスが舞台のSFもの。元ネタがあるのだろうか、バタくさい外国人ふうの演技を強調したパロディ調の作品。上演時間が20分と短いせいか、ヒーローたちと悪役が対決するいちばん肝心のクライマックス場面が省略されていた。あるいはそれもネライなのか?
ロロもつい最近、初めて見たばかり。同じやりとりを演じ手を替えながら繰り返すという場面からは、チェルフィッチュの影響をちらっと感じた。前回の公演では快快のスタッフが参加していたし、快快にもチェルフィッチュの影響を感じることがあるので、やはりロロと快快、意外と近いのかも、という前回の印象を新たにしたのだった。
あとの4組は名前は聞いていたが見るのはこれが初めて。
マーク義理人情の作品では水産高校のボディービル部の男子3人が登場する。体育会系男子の暑苦しい生態を描くところは、一度だけ見たことのある田上パルの芝居にちょっと似た味わい。実際にこういう部活があって、役者も実際にそれを経験しているのではないかと思わせる、ディテールに妙な説得力とリアリティがあった。「シコふんじゃった」で大学の相撲部を描いた周防正之監督に、この題材で映画を作ってほしいと思うくらい。男優3人は個性的で悪くなかったが、体形の面で残念なのは、ブタ野郎と骨野郎の中間的な存在として、正統派ボディビルダーのマッチョな奴がバランスとして必要なのに、かなり骨野郎に近い体だったこと。ここはロバート・デ・ニーロ並の役作りで、たっぷりと筋肉をつけてほしかった(笑)。
自己批判ショーはヤクザ映画の設定を下敷きにして、その上でおバカをやるというパロディあるいはおちゃらけのコメディ。ヤクザ映画の演出・演技をきちんとやればやるほどおバカが生きてくると思うのだけど、全体におふざけムードが漂って、メリハリが足りなかった。
Mrs.fictionsは宇宙人のいる異常さを日常感覚で描くという、ちょっととぼけた感じの芝居。これも元ネタがあるのだろうか。高橋留美子の「うる星やつら」というのも台詞に出てきたが、私はこの漫画の内容を知らないのでなんともいえない。
バナナ学園純情乙女組はとにかく騒々しかった。彼らこそ「うる星やつら」だ。
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2009/08/31 11:24
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