満足度★★★★
物語としての面白さ
今回DULL-COLORED POP初観劇でした。
あらすじを見て、演出と脚本が気になり足を運んだ。
小劇場で古典的な作風に出会うことが少ない。
16世紀の作家達を思い浮かばせるようなセリフはとても巧みに作られていて関心した。
舞台はシンプルな素舞台で、作品に集中させてくれた。
うまく言葉が操れてない役者もちらほら…。
普段しゃべらない綺麗なリズムで紡がれた言葉は、感情だけではしゃべれない。この場合は作家の勝ちになるのかな。
世界観は統一されていたので違和感なく見ることができた。
とても完成度が高く、楽しめたんだが、何か物足りない。
額縁舞台の中で、観客に芝居をやってますって感じで終わってしまった気がする。
なんかよくわからないが、人間のパワーみたいなものが舞台上から客席まで迫ってこない。
臨場感がない。
マリーの存在が希薄に感じられ、あまりファムファタールに見えない。
周りの人物の恐怖からマリーの魅力や怖さを際立てようとしていたのだが、なんかうまくいっていないきがする。
マリーの人物像を深く描かないのであれば、もう少し全体のリズムを崩して気持の悪い演出や構成にしてもよかったのかなと。
綺麗で端整すぎるがゆえにマリーに対する周りの人物の恐怖が一辺倒になってしまったのでは。
いろいろ書いたが、演出さんの読物としての戯曲をそのまま舞台にしたという意図があったなら、これは成功である。
いろいろ書いたが
作品的にもとても好感がもてる作家さんです。違った作風でも、また古典的なものでも、いろいろ見てみたいと思わせてくれました。