【終幕】暗ポップ 【劇団員募集中】 公演情報 空間ゼリー「【終幕】暗ポップ 【劇団員募集中】」の観てきた!クチコミとコメント

  • じわっとやってくるリアリティ
    流れるようなスムーズさをもったお芝居なのに
    劇場を出て駅まで歩く間に
    じわっと重さがやってくる・・・。

    黒白でドラスティックに物語が構成されるのでなく、
    やわらかい狂気の度合のグラデーションに、
    ぞくっとするような今が織り込まれていました

    ネタバレBOX

    グループカウンセリングが行われる病院が舞台
    参加者と医師、看護士たち、
    さらには病院の患者たちの姿から
    心に抱えた闇と回復の姿が描かれていきます。
    参加者たちから浮かび上がってくる
    軽い性格障害から
    対人障害やボーダーラインシンドロームの兆候、
    さらに深い闇を奥底に抱える患者もいて。

    役者たちの
    心の闇におかされた姿の演じ方には
    息を呑むほどのリアリティがあって・・・・。

    そこから抜け出せるもの、
    抜け出すことをせずにとどまるもの、
    出口の手前で後戻りしてしまうもの・・・。

    登場人物の変化の過程から浮かび上がる「人との関係性」に
    作者の慧眼を通した冷徹な現実が縫いこまれて
    観客をとりこんでいきます。

    さらには、その闇が宿る先から
    白衣組と患者の垣根が外れるところにも
    じわっとやってくる生々しさがありました。

    初日ということでもあるのでしょうか、
    物語の前半のトーンと後半の質感に
    若干のつながりの薄さを感じましたが
    空間ゼリーの劇団員には
    お芝居の奥行を作り出すに十分な密度があって・・・。

    斎藤ナツ子が演じる女性から伝わる
    心の動きの瑞々しさにやられて・・・。
    阿部イズムの表す狂気など目を見張るばかり・・・。

    客演陣も
    ハロプロエッグの3人を含めて及第点、
    彼女たちのお芝居には
    さらに広がる余白のようなものを感じました。


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    2009/08/27 02:17

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