せんがわ劇場演劇コンクール 公演情報 せんがわ劇場「せんがわ劇場演劇コンクール」の観てきた!クチコミとコメント

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    価格0円

    2日目は11時30分からの上演。2団体の上演だが、表彰式があり、その中で専門審査員が全団体の講評をするため開始時間が早くなっている。専門審査員の講評は、以前(少なくとも自分が全団体を観劇し、授賞式を観覧しだした第5回から第10回)に比べると優しく前向きに思える。今回は「良く出来ている」といった主旨の肯定を前提にした講評(以前は「ダメだし」の辛口印象)だ。
    (上演時間は各30~40分内)

    ネタバレBOX

    5月22日(日)11:30
    安住の地(京都府)『アーツ』

    舞台美術は、中央に紗幕のある大きな別室(空間)を設える。設置・撤収も審査時間と関りがあるから、各団体とも小物中心だが…。ストレートプレイにムーヴメントを使った観せ方。物語は美術館で、一人の鑑賞者が逮捕された。本人は「絵を見ていただけ」、美術館側は「作品に危害が及ぶ可能性があった」と主張する。それを孤独に聞いている存在が「絵」だった。絵の追憶とも言える、自分が描かれたあの頃のことを話し出す。絵の歴史的な制作経緯や価値を現在と過去(原始時代ー壁画や戦時中)を交錯して展開していく。絵が好きな青年は出征し帰らぬ人に、その兄の願いで弟が美術学校で学ぶため 大切にしていた欅の木を切って学費に充てるが…。空襲の最中に置いてきた絵を取りに戻る姿、絵の悲しい出来事の変遷が語られる。

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    5月22日(日)13:00
    階(缶々の階)(大阪府・兵庫県)『だから君はここにいるのか』【舞台編】  

    冒頭は、観念的といった印象。
    舞台は、劇場の公演準備前の舞台。仕込みが遅れている舞台上で、一人の俳優が、スタッフのために缶コーヒーを両腕に抱え待っている。と、台本の台詞を正確に喋る見知らぬ男が現れる。その台詞は、舞台上にいる俳優が喋るはずだったもの。すでに削除され無になった台詞と台詞がなくなって出番が無くなった俳優が いつの間にか同化してくる不思議感覚。劇に登場しなかった登場人物(台詞)とその役を演じるはずだった俳優の物語はシュール。他方、台詞とは誰のためのものか?観客に向けてであれば、観客不在の前説は何なのか。スタッフが声のみ出演という劇中内の前説アナウンスが笑える。

    〇団体受賞
    グランプリ
    階(缶々の階)『「だから君はここにいるのか」【舞台編】』(作・演出:久野那美)
    オーディエンス賞
    安住の地『アーツ』(作・演出:私道かぴ)

    〇個人受賞
    劇作家賞
    神保治暉(エリア51『てつたう』)
    演出家賞
    星善之(ほしぷろ『「なめとこ山の熊のことならおもしろい。」』)
    俳優賞
    瀧澤綾音(ほしぷろ『「なめとこ山の熊のことならおもしろい。」』)

    *専門審査員によるファイナリスト5団体への講評は、後日劇場ホームページにて発表される予定。

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    2022/05/23 08:03

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