花柄八景 公演情報 Mrs.fictions「花柄八景」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    はじめてみた小劇場だ。「見てきた」でも評判がいいので、午後降り出した雨の中を駒場まで。五日ほど前の予約時には空席があったのに、行って見れば満席と言う。口コミが効く小劇場世界は生きていた。この劇団は喜劇を目指しているようで、SF仕立てだが、しっかり今の時代を反映する生活感のある舞台設定で80分飽きさせない。そのへんの高評価は既にある「見てきた」の通りで、飽きずに面白かった。全体に「花」が登場人物の名前にも美術にも、衣装にも縦横に使われていてこの作品のキーノートにつながっているところなどはベテランのうまさである。
    これはこれで十分だが、余計なことを言うと、
    登場人物の五人のキャラ配分はうまいのだが、それぞれのキャラが立ちすぎていて、ドラマの進行の中で成長していかない。未来世界が舞台になってからの、落語協会の拡大や、一門の野球の話などが一つのストーリーに束ねられていないで、単なるエピソードだけになってしまって勿体ない。二つ目に上がれなかったプランター(ぐんビィ)は、うまく作れているのに、ロンドン憧れのパンク男女(今村佳佑、永田佑衣)なんか、もっとはじけて面白く作れる。橋の下少女(前田悠雅)には役のキモが見えない。ここもいくらでも面白く作れる。これだけの素材があれば1時間40分は行けるだろう。花柄一門の師匠・花壇(岡野康弘)は折角一門を率いる落語家なんだから東京方言の歯切れの良さを使いこなしてほしい。もっとも地獄八景は確か関西の噺だったから、これでも良いのかもしれない。(私は井上ひさしの「樋口一葉」を連想した)。
    と、グジグジ注文も出てくるが、それはそれとして、こういう世情喜劇に取り組んでいくと、新しい境地が開けるかもしれない。この後、二百人規模の劇場まではスーッと行きそう(そこから先は大変だが)でユニークな劇団に育ちそうだ。たまたま今年、同じく落語家を主人公に芝居を作ったあまり世代の違わない横山拓也とは別の路線で新しい小劇場演劇が出てくることを期待している。

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    2022/05/21 21:15

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  • たけばん様 見落とさないようにいたします。このクラス(200)を続けるのはほんととに大変なので乗り切ってほしいですね。横山さんもアゴラを抜けるのは慎重にやっていました。お若いのに感心。
    じべ様 いつもご批評拝見しています。このごろは俳優も全員キラキラネームなので失敗します。ご指摘ありがとうございました。

    2022/05/24 11:42

    伯爵のおるすばん(2019)でキャパ200級は経験済かと思います。

    2022/05/22 23:17

    永田さんの下の名前の表記は「侑依」ではなく「佑衣」ですので訂正した方がよろしいかと存じます。老婆心まで。

    2022/05/22 20:17

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