捩子ぴじんソロ公演 公演情報 捩子ぴじん「捩子ぴじんソロ公演」の観てきた!クチコミとコメント

  • 氷と炎
    捩子ぴじんという名前のダンサー。チラシによると大駱駝鑑にかつて所属。見るのは今回がほぼ初めて。ジョセフ・ナジの「遊*ASOBU」に出ていたのをかろうじて覚えている。

    ネタバレBOX

    最初に出てきて氷の塊をノコギリでひくのは当人ではない。ソロ公演を手助けする黒子だろうと思うが、それにしてはやけに目立っていた。頭を丸刈りにした山下洋輔ふうの顔立ち。

    しばらくして登場のぴじんは黒いビキニのブリーフ姿。細身で均整のとれた体は、アフリカの若者を彷彿。頭はスキンヘッド。尖った耳、間隔の広い両目がどことなく宇宙人めいている。体全体に金粉か銀粉を塗れば室伏鴻に似たスタイルだが、室伏のような迫力は感じなかった。

    床はむきだしのコンクリート。ダンス公演でこれはどうなのだろう。
    床には転がりません、倒れ込みません、うずくまるかもしれないけれど基本的には立ったままで踊ります、回転もスピードをつけて何回もやることはありません。
    踊る前からそういったことを宣言しているようなもので、あまり見る側の期待をあおるものではなかったし、実際の踊りのほうも探りさぐりやっている感じがした。
    ダンスがあらかじめ振付けたものかそれとも即興かは見ていてもなかなかわかりにくいのだけど、今回のダンスは全体的に即興の部分が大きかったのではないかと思う。
    照明が一定の効果をねらってというよりも、かなり恣意的に変化していたというのも、即興のためのヒントに思えたし、天井から吊られてときどき気流の関係でゆっくりと動くオブジェや、解け方や割れ方があらかじめ予想できない氷を使うのも、ダンスが即興ではないかと思わせる要因だった。バケツで燃える火もしかり。

    即興かどうかはともかく、ダンサーから伝わってくる集中力とか熱っぽさというものがちょっと希薄な気がして、その点で物足りないと感じる60分だった。

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    2009/08/22 10:52

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