実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/05/19 (木) 14:00
タイトな舞台で、オソロシイほど現代を見据えてる。65分(休み15分)77分。
哲学者の戸坂潤が獄死した、という知らせを家族が受ける1945年8月のシーンから始まり、戸坂が唯物論研究会を立ち上げるところに遡って、淡々とその歴史を展開する。劇団チョコレートケーキの古川健が初めて同劇団に脚本を書き下ろし、鵜山仁が演出する。古川が描く物語は、オソロシイほどに現代と相似し、途中から本気で恐ろしくなってしまう。反知性主義と言ってしまえばそれまでだが、現代がそうなりつつあって、それが全体に広がってしまうと押し返せない、ということから、そうならない世界を作りたい、という意図も見える。ただし、主人公の戸坂には感情移入できない部分があり、若干の違和感も感じた。
ただし、やや長い。終盤で途中から退場する客が数名。『ファクトチェック』で観て気になっていた永田江里が華やかさのある役で出ていて、またちょっと気になってしまった(←女優系の性)。