雨の一瞬前(再演) 公演情報 ユニークポイント「雨の一瞬前(再演)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    すなおに今という時代から失われてはいけないものを感じる
    物語の展開に少し必然が欠けた感じがしましたが
    舞台になった時代は
    まっとうな必然なんてゆがんでしまうような時代だったのかもしれません。

    いろいろな工夫で
    その時代の狂気が浮き上がっていました。

    素直に、今という時代から失われてはいけないものを
    感じ取ることができました。

    ネタバレBOX

    冒頭のダンスがとても効果的。

    舞台となる旅館にも
    そんな平和な時代があったのです。
    ちょっとモダンなダンスで表現されるぞうきんがけには
    笑顔と日々のときめきを感じて・・・。
    戦争末期の日本の雰囲気を表す時に
    そのシーンの明るさがとても効いていました。

    朝鮮人と日本人の距離感も旨く表現されていました。
    韓国語と日本語の使い方にも
    作劇の工夫があって
    それぞれに伝わるもの、隠すもの、
    交わるものがしたたかに表現できていたと思います。

    武骨で不器用な心のかよいかたにも思えましたが
    異なる価値観が妥協していくのには
    そんな過程が必要なのかもしれません。

    物語としては
    宿屋を続けることと朝鮮人をかくまうことのつながりが弱く
    妹の殺人にも、もっと強い説得力が欲しいかなとも
    感じたのですが
    逆に、そのつながりのなさが
    戦時中の狂気への表現になっているような気もして・・・。

    人々の国家主義への傾倒の
    人による温度差の表現もしたたかで、
    教条的な反戦ではなく
    ただ、大切なものを愚かに失いたくないという想いでの
    反戦を考えたことでした。

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    2009/08/17 20:04

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