実演鑑賞
満足度★★★
黒塚とは現・福島県二本松市阿武隈川の畔にある鬼婆の墓。奈良時代(726年)に成敗された人肉を喰らう老婆の伝説。
今作では京に上る近道にある険しき山の笛吹峠、そこに鬼婆が棲むとされる。新庄の里の領主・堀兵右衛門(上田和弘氏)は二十年前成敗した筈の鬼婆が未だ現れる噂を聞いて、息子(里見和彦氏)を遣わす。それに同行する弟のような家来(木暮拓矢氏)。峠には三人兄妹が暮らしていた。うえだひろし氏、山下直哉氏、山丸莉菜さん。殺陣がなかなかの見もの。
京に呼び戻される途中のやたら鼻の効く陰陽師・小林七緒さんが大活躍する。
尼僧妙心役の塩野谷正幸氏が素晴らしかった。この人の妖気だけ異様で、違う世界に存在しているような妙な感覚。一人だけ人形のように現実感がなかった。