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マリー・ド・ブランヴィリエ侯爵夫人
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クチコミとコメント
公演情報
DULL-COLORED POP「
マリー・ド・ブランヴィリエ侯爵夫人
」の観てきた!クチコミとコメント
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とし(188)
満足度
★★★
いい。
この脚本を、谷賢一が書いたのかと思うと、
わくわくしてぞくぞくした。
ネタバレBOX
流麗かつ力強さのある骨太な台詞
重なり合う場面と場面
そこに潜む黒々とした何か。
聞いていて、「あぁ、この台詞言ってみたい」と思える本。
チラシにも書いてある、インパクトのある台詞
「隠されているものは、絶対に見えない」
この言葉と、マリーの最後の台詞がなんだか呼応しているようで鳥肌が立つ。
これに関連して個人的に印象に残った場面が、マリーの旦那、ゴブラン(大塚秀記)らが賭けに興じる場面。
真相を知るサントクロワを挟み、侯爵らが「遺産ががっぽり転がり込む」的な会話をしているシーンはなんというかどす黒いものを感じた。
僕の大好きな漫画『ジョジョの奇妙な冒険』に、「本当の悪は、自分の事を悪と思っていない悪だ」みたいな台詞があるんだが、そんな感じ。
決して、事件が解決してスッキリみたいな話じゃない。
このスッキリしない感じ、心にどす黒い膿が溜まったままみたいな感覚がどこから来るのかよくわからないが、
この『マリー・ド・ブランヴィリエ侯爵夫人』という芝居が巨大な何かにぶち当たる姿が、僕をこんな気分にさせているんだと思う。
地獄の底から不穏さを匂わせるような音と、不自然に明るくチャーミングなメロディーが交錯する劇場の空気は、なんだか(悪い意味ではなく)気持ちが悪かった。
どこが良かったとか、そういう事でなく、よかった。
全体的に、一つの芝居として。
細かい事を言うと、
役者陣の若干が、谷賢一の書いた台詞に飲まれていた感がある。
台詞を制御できていないというか、操りきれていないというか、
自分の血肉になっていないというか。
シェイクスピアの芝居とか観に行くとたまに出会う現象が起きていたように思えて、なんだか歯がゆい思いをした。あぁ、いい台詞なのに、と。
そんな中、印象に残ったのがテレーズ・ドオブレ(堀奈津美)。
鮮やかな感情の表現、クリアに心に響く台詞には、従来の安定感に加えてダイナミックさが窺えた。
DULL‐COLORED POPにおける堀奈津美の立ち位置の重要性を改めて思い知る公演でした。
ま、あれです。細かい事抜きにして、いい芝居でした。
決して楽しい芝居ではないけれど。
☆5つだと思うんですが、これからもがんがんいい芝居を観たいので3つにしときます。
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2009/08/15 02:26
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