安心して狂いなさい 公演情報 中野坂上デーモンズ「安心して狂いなさい」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    価格10円

    佐藤佐吉演劇祭2022 参加作品。㊗️十周年。
    1度は観たいと思っていた団体「中野坂上デーモンズ」…旗揚げ十周年記念公演其のに、で初観劇。料金は初日限定サービスで「10円」だった。

    ハイテンポ、ハイテンションで攻めまくる公演。多くの登場者による同時多発言、多い情報量が脈略なく流れ、思考が追い付かない。まぁ代表・松森モヘー氏の整理されていない頭の中を覗くような、「メタバース(仮想空間)」の話である。偶然だが、観劇翌(18)日に「メタバース推進協議会」発足の設立記者会見が開催されたほど、現代的な着眼点だ。
    あぁ自分にもう少し柔軟な思考、豊かな感性があれば、もっとカオスの世界を楽しめたかも…。

    ポップでクール、ベタでシュール、馬鹿で知的、エンタメでアートといった、様々な相反する要素が溶け合った“感覚的”公演。ドタバタコメディのように思えるが、展開していくうちに奇妙でシュールな世界観に包まれているような錯覚に陥る。一見キワモノのような公演だが、内容は手強いかも知れない。
    (上演時間1時間40分) 

    ネタバレBOX

    全体が黒色で統一され、中央演台上の綺麗な生け花がやけに目立つ。上手奥はカウンター、その他L字のソファーや筒状オブジェ、奥の壁には梯子が立掛けてある。至る所に出入口があるが、その場所の意味するところは解らない。

    冒頭、松森モヘー氏が、物語の世界観は「メタバース」で、仮想空間での出来事を描いていると説明。この仮想空間へアクセスしたが、何らかのトラブルでログアウト出来なくなった。登場人物?は20名、当日パンフに苗字も書かれているが誰が誰やら分からず、人物を追うこと、読み解くことを止めた。物語に没入せず、表層を俯瞰することで見えてくる世界観…たぶんログアウト出来ないプレイヤーや仮想空間のアイテム、デテールが混在し騒いでいる、そんなカオスの世界だろう。

    舞台美術は黒色に統一されているが、その空間を自由自在に 躍動感溢れるように動き回るキャストの衣装は、ミニチャイナ、ジャージ、スーツなど様々でカラフルな色彩。奇妙な化粧や変顔も印象的で笑える。
    出捌口は、茶室の にじり口のように低く狭い所や梯子を上り下りして壁向こうへ行き来きする。何故か脈略の解らない、そして捻じれ歪なイメージを抱かせる奇異な光景に引き付けられる。

    終盤、この舞台空間は、メタバースによって精神疲労 障碍をきたした者のリハビリ施設、といった台詞があり納得したつもりが、さらに物語が進展していく。で結末は?
    やはり一筋縄ではいかない手強さがある。松森氏によれば、「自分が10年演劇がやめられなかったのは『安心と狂気』この食い合わせが人を病みつきにさせるからかもしれない」と。自分もその病みつき世界に引きずり込まれたような…。
    次回公演も楽しみにしております。

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    2022/04/19 00:05

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