エゴ・サーチ 公演情報 プラグマックス&エンタテインメント / サンライズプロモーション東京 「エゴ・サーチ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    開演前SEでオーストリアのバンド、オーパスの代表曲「ライブ・イズ・ライフ」が何度も何度も流れる。(『oktoberfest 2019』version)。これを聴くと、「ああ鴻上尚史だなあ」の気分。選曲のセンスはいつも抜群。今作も沖縄民謡「十九の春」の使い方が秀逸。(元曲は鹿児島県の与論島がオリジナルらしい)。

    ガジュマルの古木に住み着く、赤い髪をした精霊キジムナー(村上航〈わたる〉氏)。沖縄の離島に遊びに来た吉田美月喜(みづき)さんの前に姿を見せる。東京から遊びに来た吉田さんは「また来る」と約束。しかしやって来ない・・・。

    作家志望の青年、今江大地氏はアイディアは有るのだがなかなか筆が進まない。担当編集者の南沢奈央さんははっぱをかけるも、ネットで検索すると彼がブログやツイッターで遊んでいることを知り叱責。だがそれは濡衣で、同姓同名同プロフィールの人間がネット上に存在していることを知る。

    インターネットを使ったステマ・ビジネスの会社、社長(渡辺芳博氏)と阿久澤菜々さん。ふざけたフォークデュオ『骨なしチキン』の二人(佐藤修作氏と古木将也氏)が「金はあるから有名にしてくれ」と依頼。彼等を売り出す仕掛けを練る。

    話と全く関係ない木村友美(ゆみ)さんの底抜けの明るさが印象に残る。ハモりが凄まじかった。
    イケメン結木滉星(こうせい)氏はボクサー飯田覚士っぽくてカッコイイ。

    取り留めのなく投げ出された話が一つずつ結び付いていく。一体これは何の話なのか?的面白さ。

    ネタバレBOX

    ちょっと話が適当で、面白く感じなかった。
    事故で恋人、吉田美月喜さんを死なせてしまった今江大地氏は自責の念で自殺を試みるが、命は助かり部分的記憶喪失に。彼を愛していた元同僚の結木滉星氏は彼とコンタクトを取る為に、彼の名前を騙ってネット活動。自分が死んだことを認められずに亡者となって現世を彷徨う吉田さんにキジムナーが逢いに来る。記憶を失くした今江大地氏が執筆するのは吉田さんから聞かされた話。全ての謎は彼が自殺未遂したマンションの屋上に集められていく。

    結木滉星氏が同性愛者であることが非常に面白い設定なのだが、それを生かせず適当なキャラに。恋愛詐欺を繰り返すエピソードはただのノイズでしかない。キジムナーが普通に存在出来て、亡霊の吉田美月喜さんは誰にも見えない設定も必要だろうか?何か消化不良。
    物語の構造としては、主人公の失くした記憶を亡霊やキジムナーが取り戻すもの。彼が書こうとした小説の先に、秘められた何かがなくてはならない。

    当日配布パンフに書かれていたandymoriの『1984』、素晴らしい曲。ヴォーカルの姉、亡き小山田咲子さんに思いを馳せる。

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    2022/04/17 17:31

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