実演鑑賞
満足度★★★★★
#荒波タテオ #岩井美菜子
#市川歩 #加藤睦望
#川上献心 #河村凌
#久保磨介 #小寺悠介
#小山ごろー #さんなぎ
#清水建志 #髙橋紗綾
#日野あかり #村上弦
#吉成豊 #依乃王里(敬称略)
会場と作品がマッチして、観客は披露宴の出席者としてコトの成り行きを目撃することになる。大勢のキャストそれぞれが新郎新婦になり得る展開でスポットを当て、観る者を飽きさせない。作品が動き出すスイッチが冒頭に押され、あっという間に会場全体を巻き込んでいく。特に観客の後方……客席の後ろの屋外を演技エリアとして想像させる手腕が心憎い。
純愛も打算も織り交ぜて、さまざまなカップルを誕生させ壊していく。その中で頑なに状況を拒む振り袖のカモガワの告白。その純愛と相手の打算による結末が何とも痛々しい。
ずっと憎まれ役の花嫁が過ちを認めつつも、投げやりになったりせず最後まで一貫して愛を貫き通す姿に何だか拍手を送りたくなる。全ての責任を背負って不幸の地獄へ落ちる覚悟の彼女。批判の罵詈雑言は、聞こえなければ幸せなのかもしれない。氷の溶ける音が憎しみや怒りの融解ならば……彼女に少しの光が差した気がした。
花嫁マリ。マリの幸せの青い鳥が舞い降りる楽園だとイイネ。マリーのバードランド。
そして、綺麗な人という重責を全うして余りある麗しさの日野あかりさんに脱帽。
「アキヒコさんはコックコート。ウララさんは黒のパンツスーツ」
マルヤマが語る想像のスピーチに痺れた。