満足度★★★★★
シュールで素敵な伊藤ワールド。
チャリT企画の伊藤伸太朗氏が企画したプロデュース公演。各劇団から素敵な美女を集めて伊藤氏が一手にお相手するというぜいたくな作り。そこで繰り広げられるのはちょっとシュールな伊藤ワールド。
物語は推理小説のように始まる。この劇の主人公伊藤氏演じる架空の芸術家イトウ・ローラが自殺なのか?他殺なのか?それともまだ生きているのか?3つの寸劇を見て、それを答えよというのだ。しかも理由まで書けと言われる。「それでは最後までゆっくりとお考えください」という人を食ったナレーションでステージが始まる。
そこで繰り広げられる劇は、いずれも不思議な不思議な物語。伊藤氏独特の言葉遊びの中に、独特の世界が生み出される。これはネタばれに書こうか迷ったが、あえてこちらに書く。イトウローラの人生を14のシーンにわけて、寸劇を作っている。われわれは今回そのうちの3シーンだけを見せてもらうわけだ。公演はABCと3バージョンある。興味のある人は3つとも見てくださいという作りになっている。
おいおい、ABCそれぞれ3シーンずつ上演しても9シーンにしかならないぞと気づくと、最後の1シーンは9月に上演予定とのこと。それでも10シーン、残りの4シーンはというと、それは上演予定なしとのこと。それなら、最初から10シーンじゃなかったのかとお思いだろうが、残りの4シーンもちゃんとタイトルがあり、登場する役者が振られ、それでいて上演予定なしとパンフレットに書かれている。
なるほど、そういったすべてのことが伊藤氏の企みであり、しゃれた遊びなのだ。(以下ネタばれに)