Speak low, No tail (tale). 公演情報 燐光群「Speak low, No tail (tale).」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    鑑賞日2022/02/24 (木) 14:00

     詩人の小沼純一氏の作品を坂手流の戯曲に仕上げた、不思議な感覚を得られる舞台。ジャズバーの時間が重なり、小さな歴史となって世の中とシンクロしていく。
     ジャズのうんちくを語って盛り上がっている客の姿から始まる。その場面場面で暗転し舞台が転換していくので時の流れとか、登場人物の人生などをすんなり受け止められるのだが、何だがこま切れの会話劇という感じでもある。ただ、音楽などそっちのけで会社の上司への不満をぶつけあう女性客など多彩なお客さんの姿を無理せず楽しめる。ジャズバーで居酒屋のような会話? でも、自分もやっていると思うし、そういう時代なんだろうね。
    もう一つ、並行して進むのが、お向かいの家に出入りする猫たちや猫に声をかける人たちの風景だ。こちらは時の流れはあまり感じられず、あくまでも「風景」といった感じで呈示される。年老いたお母さんとその娘の会話がベースになっているが、この二人、時間が止まったようにずっと同じ姿で登場する。話が進展するということもないので、ちょっと退屈かもしれない。

    燐光群が鋭く切り込む政治的、社会的な問題はほとんど登場しない。それもそのはず、声高に議論する場所ではなく、あくまでも店の名の通り「speak low」なのだ。

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    2022/02/24 17:46

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