実演鑑賞
満足度★★★★★
初演よりさらにわかりやすく、ソリッドに仕上げられていて、回重ねの力を感じました。
壱劇屋さんの再演は、再演だからとて同じ事をレベルアップさせて行うだけではなく、その時のキャスト・その時の座組の得意分野・実施する劇場の広さや特性に合わせての変更が本当に効いていて、再演でも意気揚々と劇場に足を運んでしまいます。今回も期待通りの再演で、続投組の殺陣や芝居の厚み盛り、新規キャストの新たな彩りに心躍りました。
舞台美術も、初演の時のあの幅広の感じがどうなるんだろう、と思ったら、なかなかダイナミックなそぎ落としで、でもそのそぎ落としにより生まれた空間でなめらかな視線誘導が生まれていて大変面白かったです。照明と水演出との掛け合わせであの場は本当に「川」でした。
二ツ巴はアクションモブのはたらきが特に好きなのですが、今回も魅せていただきました。
モブとして民衆を演じながら、瞬時に水演出、所狭しと駆け回る矢、あらゆる現象に切り替わる、世界の骨子、アクションモブ…最高の仕事です。
その仕事を見たくて思わずアクションモブを追ってしまうのですが、あまりに「それ」すぎて、のめり込むと見えなくなるんです。いるのに。演劇の魔法を浴びている!と感じる瞬間。たまりません。
栗田さんや日南田さんの圧巻の殺陣をあのサイズ感の中で浴びられたことはもう当然のごとく贅沢なことでぜひまた見せてください…!と思ったのですが、個人的に、今回新しく主演をされていた須藤さんの立ち姿、殺陣がすごくかっこよく、目をひかれてしまい、新たな収穫でした。また壱劇屋殺陣芝居で見たみたい役者さんです。