実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2021/12/05 (日)
価格6,220円
東京芸術劇場シアターウエストでの大千穐楽を拝見(途中休憩10分間込み2時間45分)。
明治天皇爆殺計画の発覚に乗じて、当時の政府が、計画とは全く関係のない社会主義・無政府主義者まで無実の罪で逮捕。最終的には、関係者26名中12名を死刑にした、いわゆる大逆事件(たいぎゃくじけん)。
この事件の陰謀に不本意ながら関わってしまった、"国家に忠誠を誓った陸軍軍医総監"本名の森林太郎と
幸徳秋水や大石誠之助等の無罪釈放を願う、"思想信条の自由を尊ぶ"文学者・森鴎外との狭間で
苦悶する主人公を描いた長尺の作品です。
何やら今のご時世にも重なるところの多いストーリー。ところどころ仕込まれた笑いを誘う場面にリラックスしながらも…。
「見よ、飛行機の高く飛べるを」を拝見して以来、意識して公演に足を運んでいる、永井愛さんの作品だけあって、林太郎の諦観と、でも、どこか希望を抱かせる表情とで締めたエンディングは、唸る程に見事!
大変見応えのある舞台でした。