実演鑑賞
満足度★★★
面白い設定なのだが、なんか馴染めない芝居だった。言葉に色がつくところを、グレーの壁や天井にカラフルなインクがワッと広がる。影の薄い町議の白い服が、町長の黒い発言で、黒く色が変わる。こうした設定のビジュアル化は面白かった。
俳優のセリフがやけに大声で怒鳴り合う場面が多い。あんなに力む必要あるだろうか。色のない匿名の発言が、悪意や妬みをどんどん広げていくのだが、そんな話なら芝居にしなくても、先刻承知である。色つきの言葉より、無色透明の言葉が自由と解放をもたらす面が前半はあって、そっちの方が新鮮だった。
俳優の出入りにも偏りがあって、「あのこ(町長、父親など)なかなか出てこないなあ」とか、余計なことを考えてしまった。