実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2021/11/11 (木) 14:00
座席1階
不倫劇というより大人の恋物語という言葉が似あう舞台だ。カリフォルニアのコテージの部屋が舞台であるせいかもしれない。それよりも、この二人が後ろめたさをぶつけあいながらも前向きに自分の人生を理解し、複線の生き方をまじめに、力強く進めているある種のすがすがしさが感じられたからかもしれない。
ブロードウエイの傑作であるという。いつもの出張先で知り合って偶然にも一夜を共にした男と女。二人とも家族持ちであることから最初の朝にこれきりにしようという雰囲気も流れたが、お互いへの思い絶ち難く、年に一回コテージで会うということになった。まるで七夕の織姫と彦星だが、その年に一回の関係が二十何年も続く。
それだけ時が流れれば、お互いの家族の子どもが大きくなり、仕事が行き詰まったり、引っ越したりいろいろなことが起きる。だが、この二人はそれらの多くを隠さずにまるでエピソードを楽しむように語り合い、体の関係だけでなく、物理的な距離は離れているが心は支えあっているという絶妙な関係を築き上げていく。
途中休憩を挟んで2時間半近く。長せりふもバンバンある熱のこもった二人芝居に拍手を送りたい。ソワレとマチネでダブルキャストで行う構成で、私が見たのは公演を主宰した森下知香。今回は演出家ではなく主演女優ということだった。もう一つのペアの平野綾子も演劇ユニットを主宰している演出家であり、女優とのこと。女性主導の舞台だから全体がきれいに流れていた、という面もあるかもしれない。
とてもよかったと思う。森下、平野のオリジナル作品も見てみたいと帰り道で思った。
2024/04/15 23:21
2021/11/11 19:28
3年越しの返信となってしまいました。大変申し訳ありませんでした。
失礼をどうかお許しください。
この戯曲は、かなり前に、ある演技のワークショップで出会い、
「とても面白いけど難しいなあ…でもいつかやってみたいなあ…」とずっとあたためていたものです。
おっしゃる通り、おとなの恋愛、そしていつしか戦友のような…夫婦のような関係になっていく…
まさにブロードウェイの傑作、といえる素晴らしい本に導かれ、役者として大いに勉強させていただきました。
まだまだ至らないところもあったと思いますが、このようにありがたいご感想をいただき、とてもうれしかったです。
これからも役者として、そして演出として、日々精進してまいりたいと思います。
これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。