実演鑑賞
満足度★★★
これ実話なのか?フィクションなのか?ナベプロをモチーフにしたような70年代芸能界内幕ミュージカル。歌手に憧れる少女達と錬金術の猛者達の物語。平尾昌晃や麻丘めぐみ、天地真理、キャンディーズ、久保田早紀、加藤登紀子を思わせる錚々たる面々。しかも全曲歌われるのは詞も曲もまさに当時物のそれっぽいオリジナル曲。スクールメイツ(タレント研修生のバックダンサー)の振り付けなど最高。清水義範のパスティーシュ(作風の模倣)作品に近い面白さがある。
楽曲や時代背景が面白く飽きない。枕営業やプロフィール改竄等もきちんと描かれている。流石に全員の歌唱力は文句の付けようがない。
浅丘るみ(大胡愛恵〈おおごまなえ〉さん)の熱狂的ファンである宮原健一郎氏が印象的。ファン目線の日本芸能史なんかも作れるのではないか?今作のキーパーソンでもある石川このみ役宮下舞花さんは爆乳を強調したダンスで観客は大受けだった。
語り手である作曲家のぎっちゃん(大塚庸介氏)の優しい目線と、恋人でもあった反戦運動家・赤木じゅん(田宮華苗さん)とのエピソードが心に残る。