エレモア・ムーブ 公演情報 バンタムクラスステージ「エレモア・ムーブ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    さすがのバンタムクラスステージ。

    新作はハリウッドを舞台にしたコメディと謳い、たしかにコメディなのだが軽すぎない。むしろしばらく重い。笑 ただしその重さを気取られないよう軽妙に見せることはやっていて、それが序盤にあらわれている。ものすごい情報量を一気に観客にぶつけるオープニング、見事である。

    「かべぎわのカレンダリオ」でもその一端を感じられた作者の映画好きは今作まさにである。映画ネタが分からなくても作品の面白さは変わらない程度にとどめてある、それでも作者の映画好きが伝わるし、なにより主人公が米国映画界で生きていることのリアリティが出ている。

実在のネタと架空のネタが混ざり合い、かつ俳優陣の演技によりエレモア・ノートンが実在の俳優に見えてくるし「デッド・ディール」が実在の映画に思えてくる。

    
作中のセリフにある通りの練られた脚本が見事であり、すべての登場人物を好きになり、何度見ても面白い。難点は終わりがあっさりしていることだろうか。今作も登場人物たちのその後を知りたいと思わせてくれる見事な作品を作り上げてくれた。

    以下ネタバレBOX。

    ネタバレBOX

    静かに始まり、ケンドラが退場したらエレモアの一人芝居から加速し見事なオープニング。ものすごい早口なのに取りこぼしが無い。吹き替えのような発語が違和感なくすっと耳に馴染む。
    とにかくテンポが良い。間も良い。耳だけで聞いていても気持ちがいい芝居にさらに視覚情報も入ってきてさらにそれがナマだなんて贅沢である。

    作劇のご都合主義はあるものの話に破綻が無く、劇中で語られる良い脚本というのを体現しているよう。多用される表現の繰り返し「ぐっすり眠れる」「ハリーポッター一冊分」など遊びもあり、普段のバンタムクラスステージ作品より見やすい作品かもしれない。バンタムクラスステージといえば、ということで「客が見たいものを見せる」ために銃声を2発入れてくれているのだろうなと思っている笑。福地教光が俳優役を演じることでできたオーディションシーンでの演じ分けはとても楽しい。そこでエレモアに銃を持たせているのもまた客へのサービスなのだろう。ありがとうございます。

    (おそらく加筆します)

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    2021/10/27 16:14

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