オペラ「フィガロの結婚」 公演情報 豊島区オペラソリストの会「オペラ「フィガロの結婚」」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    ソリストの熱唱!
    縁あって久し振りにオペラを鑑賞。以前はオペラやクラシックコンサートにも出かけたが、最近は観劇の方が多いかもしれない。そう言えば、もう数十年前になるが某合唱団で歌っていたことを思い出す(もちろんソリストではない)。今では声量もなく音程も取れないだろう。当時の会場は、東京文化会館や東京(新宿)厚生年金会館(今はもう無い)等といった、音響構造の優れた(クオリティの高い音楽専用)ホールであった。今回は南大塚ホールという音楽系を専門にした会場ではないことから、その点を考慮しなければならない。
    なお、コロナ禍における感染防止対策として、客席1~3列目は使用しない。また「ブラボー!」など言わないようにとも…少し寂しいがやむを得ない。

    さて、公演では歌唱と演出(むしろ舞台技術といった方が適切)で気になったところが…。
    (上演時間4時間 45分休憩含む、15分×3回)
    本公演は第33回池袋演劇祭参加作品のため、☆評価は後日付。

    ネタバレBOX

    舞台美術は大きな絵画風の後景が場面ごとに張り替えられる。場面に応じて仕様が異なるテーブル、椅子等を搬入するといった手作り感があり微笑ましく思う。だからか 何となく温かみのある雰囲気が好い。
    キャスター付の衝立が舞台真ん中にあり、歌い手のコロナ(飛沫)感染防止対策のようだ。歌い手は、ソロの時はマスクをしないが、花娘の合唱のように3人以上で歌う時は、それぞれ絵柄が違うマスクをする。衝立は感染防止と共に、フィガロと結婚相手のスザンナ、または伯爵と伯爵夫人など、相手との関係で上手・下手側に押し動かす。それによって空間に広狭ができ、相手への圧(迫)を演出する。つまり愛が強ければ押し勝ち、広い空間が確保でき、疚しい事があれば押し負け、自分のエリアが狭くなる。なかなか上手い観せ方である。
    下手側に指揮者とピアノ伴奏者。
    ソリストの会だけあって皆さん上手であるが、特にスザンナ(5日:川井愛永さん)と伯爵夫人(5日:松本明子さん)の歌唱力は素晴らしかった。

    有名な「フィガロの結婚」であるが、概要は次の通り。
    物語はたった1日の中で起こること。 そしていくつかの要素が複雑に絡み合う。
    フィガロとスザンナは、婚礼の準備をしている。 スザンナは伯爵のお気に入りで 、伯爵はスザンナを我がものとするために、「初夜権の復活」(字幕では別というか曖昧な表現)を企んでいる。 フィガロとスザンナはそれを阻止しようとする。他方、伯爵夫人は、伯爵の愛が冷めてきたことを悲しんでいる。 伯爵夫人、フィガロ、スザンナは、伯爵に改心してもらう、伯爵の反省を促すことを計画する。最後にフィガロとスザンナは無事結ばれる。 伯爵は伯爵夫人に謝罪し、これまでの行いを悔いる。 物語はハッピーエンドで終わる。

    気になったところ。
    〇第4幕でのフィガロ歌唱のところ。長丁場で歌うことが多いフィガロ、しかし見せ場であろうスザンナとの競演箇所で息継ぎが出来なくなったのか声量が低下し、ついには…勿体なかった。
    〇会場の問題かも知れないが、字幕を天井(少し傾斜した)部分に映していた。自分は中央真ん中に着座(しかも前は通路)していたから見難いが何とか読めた。「フィガロの結婚」を何度も鑑賞しており、内容を知っている人、またはイタリア語が堪能(といっても歌詞表現は違うであろう)ならば、気にしないかも知れない。念のため1場と2場の休憩時に、前と後の列に夫々座ってみたら前列=天井を見上げるか、後列=文字が半分隠れた状態。もう少し映写角度を工夫し字幕が読めるようにしてほしかった(上演前に確認が必要だろう。何らかの指示・指摘があったのか、4場には改善したが…)。
    初めて「フィガロの結婚」を鑑賞した観客にすれば、酷だったかもしれない。
    次回公演も楽しみにしております。

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    2021/09/06 21:58

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