実演鑑賞
満足度★★★★
評判はいいらしく、観に行く人はネタバレ感想は読むな!とあちこちに書かれていた。まったく予備知識なく出かけた。7月25日が楽日である。コロナ禍の中、奇跡的に東京・大阪公演とも一日も中止にはなかった。
大好きな橋爪功や白石加代子も出ていて、野田さんはシェイクスピア役、肖像画通りのハゲでブルマーみたいな衣装で出てくる。
芸達者ぞろいの少数精鋭の役者と大勢のコロスたち。
互いに神様から授かった言葉の箱を取り合うドタバタごっこ。
シェイクスピアのリア王とオセローとマクベス・ハムレットの父王の亡霊シーン、女役を高橋一生が演じ、主役は橋爪さんがさらりと演じてみせるシーンはオイシかったが、いつもの難解な言葉遊びはなくて、ちっとも野田秀樹を観に来たという感じがしない。
こりゃ、駄作かなと思った。
<ネタバレへ>
30数年前に気が付いていれば、こんな状況になならなかった環境問題。「永遠プラス36年前」という謎の言葉に、私はそんなふうに合点がいった。ノンフィクションにしてはいけない!
もし地球が気候変動により元の地球に戻れない、引き返せなくなったとき、自分の命を顧みず必死で生き残る可能性のために戦う人間がいるに違いない。だが多くの乗客が助からなかったように大多数の人類は滅びてしまうであろう。
神様の言葉の箱を奪い合ったドタバタぶりは、私たちの姿だったのだと。