実演鑑賞
満足度★★★★★
注目は異色客演陣(風間杜夫、奥山ばらば、紅日毬子)、必見であったが中々予定が立たず、当日精算期間に予約だけ入れて成行きに任せたのであったが、仕事を上げて駅へ走り、会場に19時過ぎに着くと幸い予想は当ってまだ開演前であった。中央花道の両側のひしめくジャガイモの一つに収まると、何と小型座椅子が腰を支えて格段の観劇条件になっている。前方端席でテント芝居を満喫、千秋楽であった。
開幕からボルテージ高く観る方も気合が入る。白塗りの奥山ばらばが怪しく無言の口上を舞い(その後も折節にドラマに伴走する)、風の中を紅日毬子がマッチを擦りながら彷徨う。絶品である。そして本編ではビルマ遠征の風間杜夫率いる部隊が不在の水島上等兵との対話、切なく染み入る「埴生の宿」の合唱。『ビルマの竪琴』を換骨奪胎した唐十郎お得意の昭和の裏路地物語が幕を開けた。2回休憩を挟んで3時間。