ウィット 公演情報 文学座「ウィット」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    女性教授の高慢、衒学、空虚なプライドを誇張して表現。彼女のがんで入院した病院も、へつらい、野心、足の引っ張り合い、「人間より研究」「患者やモルモット」といういびつな医師たちを誇張してよく伝わってきた。シリアスな劇だが、ユーモア(これがウィットなのかもしれない)が感じられた。

    末期がんの教授役の富沢亜古さんは、髪の毛も丸坊主にして、嫌味な人物をスマートに演じていた。大量のセリフを覚えて舞台を引っぱり、素晴らしかった。張平さんも、日本人俳優の中に混じって、中国訛りの日本語が、日本の舞台に新しい刺激を与えていた。今後、日本の舞台の多様性を広げる活躍に期待したい。

    ネタバレBOX

    英文学で最も難解と言われる詩人・ジョン・ダンの複雑さの影に「恐れ、逃げ」があったという指摘が、主人公の大学教授の不安と重なるという作劇は見事だし、最後に、昔の厳しかった恩師(新橋耐子)の前で子どもに帰って、絵本を読む(この「家出うさぎ」の話もいい)シーンが切なく、良かった。

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    2021/06/18 00:39

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