外の道 公演情報 イキウメ「外の道」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★

    本来なら2020年上演予定だったが、コロナ禍で中止となった本作。
    WIPなどを挟んで、満を持してのリベンジとなりました。

    コロナの影響で考える時間が増えたせいか、以前にも増して哲学的、
    スピリチュアル的になっており、主に安井順平さんが繰り出すギャグ的
    せりふ回しや動きがないと突拍子もなさすぎる話になってきてる気がする。

    「少し不思議」の中で繰り広げられる、人間のどうしようもなさの描き方が
    好きなんだけどな。

    ネタバレBOX

    都心から遠く離れた町で、20年以上ぶりの再会を果たした寺泊満(安井)と山鳥芽衣(池谷のぶえ)。

    与党政治家の変死を追ううちに、常人離れした「手品」の使い手であるマスターに頭をいじられた
    ことから、人とは違う世界が見えるようになってしまった寺泊、

    「無」と書かれた宅配物を開けたことから、部屋を真っ暗な“無”に侵食され始め、やがて闇の空間から
    得体のしれない少年を見つけ出した山鳥。その少年はいるはずもない「山鳥の息子」と捉えられ始め
    あろうことか存在するはずのない証明写真や戸籍などの記録が出てくるようになる。

    入り口は違えど、「世にも奇妙な世界」にいつの間にか入り込んでしまった2人。お互いだけがよき
    理解者で、周囲は完全に気の狂った「病人」としかみなさない世界の中で、2人がいつの間にか
    落ち着いた空間にまでも真っ黒な「無」が迫りくるようになる…。

    最近のイキウメの作品に顕著だけど、回収されないというか、本筋から外れたエピソード多すぎる
    感じがする。与党政治家の死の真相とか、山鳥母の話とか、本筋にガッチリ入り込んでいたわりに
    結局何だったのか、よく分からなかったし。話を進めるためのマテリアルだったのかな?

    「無」に侵食されて真っ暗な世界に飲み込まれて、自分を失ってしまう恐怖というのは分かるけど、
    三太が出てきた時点で「あ、新しく、というか、どこか別の空間に出てくる可能性あるんだな」と
    感じちゃって、いまいち深刻に考えられなかった。「有」のことは触れない方がよかった気がする。

    総じて、興味深い話とか見方とかあったけど、本筋が弱くなっちゃってて「いい話」「うまい演出」の
    話どまりになっちゃった感。魂とか、ここではない世界とか、昔はもっとテーマに絡めて現実的に
    扱えてた覚えがあるんだけど…。

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    2021/05/30 17:20

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