実演鑑賞
満足度★★★★★
「12人の怒れる女」を観劇
元々男性ばかりなものを女性だけで演じるということでどういう方向に持って行くのだろうか、演出家の力量拝見となるのだが、小ネタで笑いをとりつつ高い緊迫感を保っていて見事なエンターテインメントに仕上げられていた。オリジナルにはない結構長めの場面があったりして色々と工夫が楽しめる。
正義の味方陪審員8号(丹下真寿美)と敵役の3号(釜野真希)は正統的にぐいぐい押して来て100%期待に応えている。理屈重視の冷静沈着な4号(堤千穂)は少しおっちょこちょいの味が付けられていて見た目と合わせてあの女優さんをモデルにしているのは明らかだ。彼女から苦情が来ないか心配になってくる(なわけはない)。この演出のグッジョブその1だ。陪審員2号(山田瑞紀)はこの舞台ではお笑い担当になっていて客の受けはすこぶる良かった。しかも重要な伏線を早い時期から妙に強調していてグッジョブその2だ。舞台上手の壁のドアを開けるとその向こうはすぐ外だった。コロナの換気も兼ねているのだが車の音も入ってきたりして臨場感があった。ニューヨークではなく下北沢だがグッジョブその3である。
*「評決」と言うべきところを「判決」としているところがいくつかあった。