京都から二千匹発送しました。 公演情報 燐光群「京都から二千匹発送しました。」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    京都から二千匹発送しました。
    ネタバレBOXに書きます。

    ネタバレBOX

    上級生の男子に何度も投げられて、意識不明になった女生徒智子。
    その時、監督の教師は不在だったという。 また、智子が倒れてもすぐに手当てをせず、しかも、事故後は生徒に沈黙を要求し、事故を隠そうとする学校。

    親は県、市、学校、加害者の少年を相手取って裁判を起こします。

    舞台の初めに事件の概要が語られ、それを聞いて腹立たしい気持ちになります。

    しかし、舞台は学校対子供を植物人間にされた家族との戦いとは描いてはいません。

    学校にも教育、部活動そして生徒に正面から対峙する熱心な教師がいることや、少女に傷を負わせ悩む男子生徒らも描きます。

    笑いも多く、智子に向ける人の愛情から、家族が人に対する信頼感を得ていく過程に心あたたかになります。

    告発の作品でなく、甘くさえ見える作品にしたのはなぜだろう。

    劇場で渡されているチラシに脚本家が書かれているこの文面に答えがあると思います。

    「このご家族が、人に対する信頼と、暖かさを失わずに済んだのは、金銭的ではなく、様々な形でこのご家族をささえようとする人たちとの出会いがあったからだということをお聞きしました。  娘たちがその人たちに出会わせてくれたことを感謝している、ということも。」

    事件に遭遇したことよりも、強さと優しさを持つ母親との出会いがこの舞台を作った理由とぼくは感じました。

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    2009/05/12 18:16

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