満足度★★★★
随分と前になりますが・・・
劇団 始発列車の今回差し迫っている公演の「観たい!」に書き込ませていただいた内容から、少し自分が観劇させて頂いてきた劇団の過去の公演を眺めさせていただいていましたら、こちらの劇団は随分と前に観劇させて頂いていた事に今さらながら気がつきました。そして、誰もこの公演の「観てきた!」に書き込みをされていなかったので、少し記憶が薄らいでいる部分がありますがやはりよく覚えてもおりますので、簡単に観劇記を書かせていただきます。この公演はあらすじに書かれている通り、殺人を犯してしまった者たちが捕まり、その理由として共通してこれもあらすじ通り「風が吹いていた・・・」の一言だけで人を殺していたことが次第に明らかになっていく物語でした。こちらの劇場は非常に狭い上に舞台と呼ぶよりも席から続く平面に緑の草に模した物が敷かれ、その上にただ一つ使い古されたバスタブが有るだけの、ある意味で舞台と座席が共有空間になったスペースとでも言いたくなるものでした。ただ、それだけにまだ荒さが目立つ部分が多岐にわたるとも言えなくも無い所がかえって、我が身の内面に迫ってくるものが感じられました。こちらの劇団の前回公演「蟻のごちそう」を観劇された方が観ていられたら、全く当時は別で非常に分かりやすい正統的ともいえそうな演技で大胆な解釈の物語と舞台演出をしていた、全く別の劇団と思うことでしょう(事実、自分はこちらの劇団の事を調べ直して驚いてしまいました!)。当時は西洋的な物語や哲学観を日本的な宗教観により解釈した作品にも思えましたが、記憶が少し甘くなってしまっている部分もありますが、当時の自分は確かカミュの異邦人の不条理観的なものを輪廻転生的なものか古くからの記憶も脈々と遺伝され受け継がれていくと言った解釈で表した物語なのかなぁ~、とも帰り道の間に思ったりもしていました。しかし、前回公演を観劇させて頂いた自分としては、当時はまだ少し荒削りの観もあったけれども役者さんたちの演技を体感することの出来る狭い空間がむしろ密度の濃い物語に押し広げていた気がします。すでにかなりの時間が経過しているにもかかわらず、今だほとんど物語を覚えていますから、当時から当サイトを知っていれば、間違いなく星4つの評価を与えていたと思います。当時の経験からですと、こちらの劇団は狭いスペースになればなるほど密度の濃い物語を観る者に与え、今ならば当時よりもさらに力量を増した演技力を持っていますから、今回の座席数限定の公演はかなりのお買い得公演になることだと思います!でも、もし観劇された方の肌に合わなかったら「ごめんなさい」の一言で許してくださいね!!