満足度★★★★
かなり楽しめました!
観劇させて頂きました。これまでにも興味があれども観劇させていただける機会に恵まれなかったカムヰヤッセンの公演を、稽古場公演と題されてはおりましたが、ついに観劇させて頂きました!しかし、この稽古場公演の公演時間は45分と非常に短い時間の公演でしたが、最初に言ってしまえば自分のツボにビシバシと嵌ってしまう劇団公演でした!この公演は、あらすじから判断できるように特に斬新的な試みや目新しいものを芝居に取り入れているのではなく、ある意味においてはこれまでにも試みられてきたもののみで構成されながらもそこに止まらずに、さらに再構成されていき掌編小説とでも呼べそうなものに結局膨らみそうな作品になっていました!舞台構成は紙片(?)をバラ撒かれた上に簡易なテーブルとイスのみで創られていましたが、その無機質的な空間が本作品には良く合っていました!役者さんたちの演技も動作演技よりもごくありふれた日常的台詞表現を中心に構成されたものでしたが、その台詞表現が非常に良く分かりやすくイメージし易いものばかりで、その無機質な舞台上を役者さんたちの台詞表現により風景を創り出し、その時その時の心理状態すら舞台光景に醸し出してしまっているように思えてしまいました!無機質な空間にただオブジェのようなものがあるような舞台構成では、詩的な表現や非常に分かり易い簡潔な台詞が自分の経験からだと意外なほど効果的に舞台上に見えないはずのイメージ空間や風景を創りだす事が容易に感じることが度々ありますが、今回の公演はまさにこの通りで非常に容易に風景や心理の光景がイメージしやすい世界観でした!ただ、この稽古場公演においては「白いドレスの女性・黒いドレスの女性」を中心にそれぞれの相手役に対照的な役柄の男性役者さんが二名の計4名出演されているだけの公演でもありましたが、その相手役と夫婦と言う設定にはいくらなんでも若すぎるようにも思える役者さんたちの年代でしたが、この駒場小空間は音が良く反響し、役者さんたちの台詞がリフレーンされているように空間に響き渡り、その微妙に後から遅れて響いてくる台詞感覚がほんの一瞬の間に役者さんたちの人生の経過時間まで示しているように思えて、若過ぎるはずでありながら夫婦と呼ぶ設定に違和感を最後まで感じることがありませんでした!久しぶりの観劇と実に久しぶりの観劇記を書き込ませていただきましたが、この機会に稽古場公演ですが初めてカムヰヤッセンの公演に触れさせていただき、自分好みの無機質な空間でのイメージし易い簡潔な台詞回しと、同じく無機質な空間での台詞の反響効果が意外なまでに一瞬の間に人生の経過時間まで感じ取らせてしまうことに自分としては思えて、やはり演劇鑑賞の魅力を今日も存分に味わうことが出来ましたが、この稽古場公演と呼ぶ0.5回公演をもっとしてもらえないかなぁ~、と自分は思ってしまいます。しかし、星として評価するならば通常公演と比べてみるとやはり手の中で収まる範囲の作品で、最後にもしかしたら滑稽なまで誰もが人生において大道芸をしているのでは?と自分は思ってしまいましたが、厳しく評価すると星3つと4つの間の作品になるのかなぁ~、と思ってしまいました。ただ、やはり45分の稽古場公演ということを考えると自分の場合は星4つの評価にしたくなる、自分の好みと面白い発見が有りましたので、久しぶりの観劇作品の星の評価にはそのような意味も込められております。また、tetorapackさんの「観たい!」の書き込みを見ることが無かったのならば、このような自分好みの作品を観劇させて頂く機会が持てなかったことは間違いありませんので、書き込みをされたtetorapackさんにも非常に感謝しております!