実演鑑賞
上演時間は約2時間(休憩無)。
パブリックシアターが主催ということで、
細かいところでいろいろあるかもしれないが、
劇団☆新感線のいのうえ歌舞伎、2.5次元系の時代物、
劇団そとばこまちのエンターテインメント時代劇
シリーズといったあたりの作風に近いところもあり、
意外と抵抗感少なく観劇できる作品。
プロジェクションマッピングや高さのある多面的な
廻り舞台セットを駆使した疾走感、躍動感溢れる演出が
特徴的。ただ、補助情報として舞台最奥のスクリーンに
たびたび映し出される字幕の流れが、位置的に
この中央の舞台セットに遮られて、特に前方席からは、
非常に観づらいというかかなり見えなくなっているのは
マイナス。
また、高さのある多面的な廻り舞台を駆使した
演出手法は、つい先日まで明治座で上演されていた
『恋、燃ゆる。』のそれと相通ずるものがある。
平家落人末裔のウツギが大久保利通に語る、
先祖から伝承されている言葉
「こんまことん刀は護身刀。
こんまことん刀持てるは武士(もののふ)なれど、
武士は心魂で戦うがすべて。
強き武士なるは民を殺めず、
強き武士なるは民を慈しむべし。」
が心に残る。
『その男、ピッグテイル』という公演名は、
時代背景からみて池波正太郎の小説『その男』をかなり
意識しているような気も。ちなみに、『その男』は
最近では、2009年に芸劇で鈴木聡 脚本 ラサール石井 演出、
上川隆也主演で舞台化上演されている。