満足度★★★★★
鑑賞日2020/10/23 (金) 19:30
初演も観たが、再演はグレードアップして、見事な舞台だった。
谷崎潤一郎の小説を舞台化したものだが、原作のテキストを活かしつつ巧妙な劇作である。オープニング、痩せた男(影山翔一)が人形劇の舞台を持って登場し、語り手(サヘル・ローズ)の語りで物語は始まる。譲治(若松力)とナオミ(月船さらら)の物語は、最終盤から始まり、人形劇は時間軸に沿って、現実の演技は時間軸を逆上るように構成されている辺りが巧い。ナオミの立場から見た物語、というのも理解できる。初演ではおっかなびっくりに見える演技をしていた月船が、今回は確信を持って演じているように見えたのだが考えすぎだろうか。