ゲルニカ 公演情報 パルコ・プロデュース「ゲルニカ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    鑑賞日2020/09/21 (月) 13:30

    壮大で悲惨な物語だが、一種の普遍性を感じる部分もある。
     ゲルニカは、ピカソの絵でも有名となったスペインのバスク地方の都市で、スペイン内戦の際に無差別爆撃を受けた町である。そのゲルニカの領主の娘としてなに不自由なく育ったサラ(上白石萌歌)の婚礼の日、スペインの内戦が起こり、婚礼は延期され、婚約者は戦いに参加してしまう。一方で、戦場ジャーナリストのクリフ(勝地涼)とレイチェル(早霧せいな)は、スペイン内戦を報道するために、バスクに赴く。そうした軸になる人々や、ゲルニカに住む人々の様々な行動を、群像劇として長田育恵が壮大な物語を綴った。歴史的事実として空爆されたことを知ってる我々は、結末がそうなるのか、を気にして観るしかない2時間50分(休憩20分込み)。緊張感は維持され、歌を交えることで起伏もあるのだが、何となく一本調子に見えてしまうことも事実だ。現代の日本と重ねて見ることはできないが、長田が現代と一定程度繋げようとしていることは理解できる。その意味では秀作と言える。
     少しだけ気になったのは、バスク語を話すであろう人々がビルバオと呼んでいること。バスク語ではビルボと発音されるのだが、劇作上の都合で分かりやすい発音を選んだということだろうか。

     なお、初めて観たのが小劇場という俳優たち、石村(ザ・スズナリ)・玉置(王子小劇場)・後藤(サンモールスタジオ)がPARCOの舞台に立つのを観るというのは、ある種の感慨がある。

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    2020/09/23 16:38

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