満足度★★★★
「幸福とは何か」、捉える視点によって異なる問いかけが面白い。精神的な満足による充実感、物質的な充足感、そのどちらが幸福か…計算ずくでは解らない。テーマの問いかけは分かる。しかし演出は、箸休め的な効果を考えたのかもしれないが、敢えて笑いを誘うような観せ方をしており、自分は好まない。真摯な問いかけを前面に押し出す、そんな意図が感じられるだけに全体的なバランスを欠いたように思える。一方、照明・音響等の舞台技術は印象的で巧い。それだけに少し残念。
コロナ感染防止対策のため、自席の前方以外をビニールシートで囲っているため見難く、また閉塞感があるのは仕方がないのだろうか。カーテンコールで、「演じられることが当たり前だと思っていたが、コロナ禍では上演することすら難しい」と…。感染防止を図りつつ、観客に いかに心地良く観劇してもらうか、その観劇環境のバランスを保つのも難しいようだ。
(上演時間1時間40分)