女々しき力プロジェクト〜序章『消えなさいローラ』 公演情報 オフィス3〇〇「女々しき力プロジェクト〜序章『消えなさいローラ』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    いろんな作品へのオマージュを込めた別役実の隠れた秀作。なんといっても別役にしては分かりやすい。ローラが、帰ってこないトムを待つのは「ゴドーを待ちながら」のよう。母親がすでに死んでいて、ローラがその遺体を母の椅子に座らせたままでいるのは、ヒッチコック「サイコ」のよう。そして「ガラスの動物園」のパーティーの後片付けをしないまま、時が止まった家は、ゴシックホラーのようであった。テーブルの上の干からびたお茶やパン粉を食べさせる、渡辺えりと尾上松也のやり取りが、ユーモラスで面白く、大いに笑えた。

    最初は、渡辺えりが演じるのはローラなのか、母親なのか、一人二役なのか、そういうもやもやから入るけれど、すぐに、これはローラの二重人格化とわかってくる。そういう謎ときの要素、過去の輝いた瞬間から抜けられないローラのいじらしさ。そして最後に尾上松也が明らかにするトムの死。切ない芝居であった。

    ネタバレBOX

    最初に、尾上松也がトム役を舞台で演じるのは、渡辺えりの新演出。台本では、舞台奥から声だけとある。

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    2020/09/03 00:32

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