満足度★★★★
鑑賞日2020/08/27 (木) 19:30
興味深い舞台だった。
サンモールスタジオがプロデュースする、3つのユニットが現実の犯罪を題材にした作品を上演するオムニバス公演の第2弾。第1弾も観たが、企画そのものが面白い。
第1弾にも参加した singing dog が扱うのは、2007年の闇サイト殺人事件。ある意味で救いのない事件の犯人3人にルポライター女性(石井舞)が話を聞くという形で物語が再現される。互いに、主犯はアイツだ、と主張し合う「薮の中」状態を描くと同時に、ダイナミックな演出でインパクトある作品に仕上がった。役者陣がベテランが多く、芝居のクオリティが高い。
こちらも第1弾に参加した The Stone Age ブライアント が扱うのは中野富士見中のいわゆる「葬式ごっこ」自殺事件。これは当時、個人的に興味を持って情報を集めていたので、世の中からはこういう風に見えるのか、という印象の作品。
ISAWO BOOK STORE は名古屋保険金殺人事件を扱うが、殺人犯に面会に来る被害者遺族の物語。同席する刑務官をストーリーテラーにしたことによって、2人の会話が通常と異なることを際立たせる演出になっている。
いずれも、犯罪を犯す人間の怖さを描いて優れた作品になっていた。