ソラオの世界 公演情報 劇団たいしゅう小説家「ソラオの世界」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    フィジカル・パフォーマンス
    現代演劇を語るのに最早フィジカルシアターの手法を避けては通れなくなった。シアターXで見た「変身」、ストアハウスの「凡凡凡」もそうだが、それぞれ身体表現を様々な形でつかってストーリーを展開している最近の傑作だと思う。そして「ソラオの世界」がその典型を見事に作り上げている。
    詳細をネタバレのほうに書き込みますが、文化庁や地域公共団体が表彰するような演劇、文化活動として助成金を集めるような演劇だけが日本の強いては東京の演劇ではないと言うこと見事に
    表現していた内容と思えました。
    演出家西田シャトナー様他のスタッフ・キャストの今後の活躍を見守りたいと思います。

    ネタバレBOX

    四隅に立つ柱の効果的な使い方、それは勿論音響の効果をうまく使っているのだが、その状況設定とタイミングが見事。主人公ソラオがバイクを乗っている表現を四隅の柱の中でアイドリングのような身体振動によって周囲の状況の表現。裁判所での頭に風船をつけた裁判官たちのセリフに連動した的確な身体表現。証人たちと被告のソラオのユーモアのあるやりとり。流刑の地での蟹・船虫の身体表現。特に蟹のマイムを超えたお笑い系の所作。歌舞伎の見得にも通ずる二本指による表現。全く全ての役者の身体表現が芝居は、セリフだけではないという事をあらわしている。狭い空間でコンパクトにそれらをまとめた演出の力は、マスコミに取り上げられているような、なんとか演劇大賞のような芝居だけが演劇ではないと言うことを見事に言い切っていた。

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    2009/05/07 13:27

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