満足度★★★★★
鑑賞日2020/08/14 (金) 14:00
座席1階
このどうしようもない国、でも、愛すべき仲間たちがいるこの国に捧げるこれからの100年の歌。梁山泊らしさあふれる期待通りの舞台だった。
物語は、本日をもって閉店するライブハウスが舞台。ライブハウスといえば新型コロナウイルス感染のクラスターが発生したりして世の中から目の敵にされている。消毒、ビニールやアクリルによる遮断、マスク着用。これらが舞台ではきっちりと守られ、今の世の中を映し出す。演劇を観るということも後ろ指をさされそうな空気の中で、マスク着用の客席(椅子はいつものスズナリの半分だ)とともに、生の舞台こそ最高なのにという思いが充満する。(アベノマスクが捨てられるところはおもしろい)
本当は、梁山泊の本拠地・満点星で繰り広げたい舞台だ。しかし、スズナリも悪くない。役者も観客もマスク姿ならば文句はないだろう。ここで見て驚いたのは、金守珍(ライブハウスのマスター役)の声が通ること、通ること。ほかのメンバーたちも含めて、マスク越しに「普通の舞台」を演じるパワーを感じられる。
主役級の存在感がある中山ラビのほか、日替わりで登場するゲストも見逃せない。ちなみに明日と明後日は六平直政や小室等が登場する。もう一回見に行こうかな。
終戦直後の流行歌から、時代を追って「あの曲」が楽しめる仕掛けもある。でも、インターナショナルを一緒に歌える人は、もう、高齢者の部類であろう。
多様性が当たり前の国になるのはいつのことだろう。次の100年で実現するのだろうか。国の成り立ちからメルティングポットと自称したアメリカも分断するくらいの嫌な世の中だ。舞台中で金守珍が叫ぶ「韓国系日本人が認められるようになったら」という言葉に、強く共感する。