『三等フランソワーズ × 米山空地』 公演情報 火曜日のゲキジョウ「『三等フランソワーズ × 米山空地』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    劇場で観られる喜び、何事もなく開催される有難み。
    感謝。

    ネタバレBOX

    三等フランソワーズ「仕事の流儀」

    落語なんですけれども、マクラが長い、このままマクラで終わるんじゃなかろうか…?と思い始める頃合いに、唐突に落語始まる、あっ、やっぱ落語やるんやなって。
    つまり、そんくらい聞かせる程に、喋りが上手いのです、いや~おっもしろい!
    このご時世、マスクしてても笑い声が漏れ出ました。
    閣下のくだりは、解説する閣下を観たいが為に相撲観ようかなと思わされると同時に、それが本題にするっと溶け込ませてくる辺り、心地が良い。
    相撲解説する閣下…観たい…絵面想像するとそこはまさしく世紀末や…。

    一応、数年前の一人芝居フェスでの上演作品ではあるのですが。
    マクラからの本題な落語という形態であるので、自由度が高い。
    マクラにも再来週の出演情報をてんこ盛りでしたし。
    故に何度観ても、その度毎に違って面白い。
    本題は現代の親子の話で、ネズミーランドが出てくるくらいに思いっきり現代なのだけれども。
    ちゃんと落語の所作を守りながら語るのが、かえって粋に感じる。
    ネズミーランド、一回しか行ったことないです。
    テーマパーク、コースター系が命がけになる勢いで無理な体質でも、あの非日常な夢の国の空間が好き。
    花火も開催期間ならもれなく観られるじゃないですか、行きたいなぁ。
    誰かと行くなら気を使わないでいい人と一緒がいいですけど、しんどいから。

    幕後の「喋りますよ」タイムがなかったのは、落語だからという以上に、ランタイムという以上に(それなら喋ったらあかんタイミングは過去いくらもあった)。
    マクラも本題も、充分に喋ったからなんだと思ってる。
    中川さんの喋りは面白いなぁ、なんて面白い人なんだ。
    いつも変わらず、観に行くと絶対に楽しくなれるのが嬉しい。
    わたしにとって大切な時間。

    米山空地「流レル星ニ」

    こちらも一人芝居フェスで観た作品。
    当時観た時の印象としては…なんだか勝山さんの作演出っぽいなと。
    せっかく空宙空地のお二人と米山さんがタッグを組むのだから、もっと空宙空地な米山さんを観られることを期待してたのです。
    これではお二人とタッグを組んだ意味がないなぁ、と。
    でももし、空宙空地さんのお二人が、こういうテイストの作品を創りたくて、それを演じてもらうなら米山さんしかいないとなったとしたら…それは大正解だなとも。
    それくらい、米山さんの魅力が輝く作品でした。

    再演の今回。
    抜群に動きのキレがよくって、台詞の一音一音がクリアに届いてきて、会場の違いというもの以上の素晴らしいアクトでした。
    そして個人的には可愛らしいという印象だった米山さんが、えらく綺麗になられたと感じたのは、照明の加減のせいではないと思う。
    演出面でも…1シーン、とても空宙空地さんを感じられる場面があって。
    熟成された人間の人生を感じられる、そこがわたしにとっては空宙空地さんの魅力なのですけれども。
    その1シーンにそれがギュッとされてて、とてもとても良かった、この作品の要になってた。

    米山さんの真骨頂、魂振り絞った演技の爆発、最高でした。
    今の世の中になって、演劇も形態を変えていく時代だとか、映像配信にシフトチェンジしていく時代だとか、劇場で観なければならない意味はあるのかだとか、そんなコトバが目に入ることもあった。
    この演技を観て欲しい、これこそが劇場で、ライブで、観る意義だ。
    この再演、観られて良かったなぁと、しみじみ噛みしめました。

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    2020/08/12 11:33

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