赤鬼 公演情報 東京芸術劇場「赤鬼」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    コロナ後、劇場で大人数の芝居を観たのは初めて。四面客席の前に大きな横長の透明ビニール幕。客電が落ちると自分の側は全く見えなくなり、すこぶるクリア。シアターイーストの懐(容積も)の大きさか、余裕ある客席でも「淋しい」感がない。
    さて「古いテーマ」だと戯曲を読んだ数年前に感じた『赤鬼』が、今を映す舞台となっており、目が離せなかった。読んだ時は抽象的に処理された(ゆえにリアル感の薄い)舞台を予想させた戯曲(多場面で構成された)が、言葉遊びもナチュラルに感じさせる程にリズミカル、躍動的に展開され、「演出」野田秀樹の技量にも感じ入った。
    今回のBグループで知る俳優は2名のみ、赤鬼の喋る「異言語」は中国語(風?)で、中国人を起用したかと見ていたら、日本人俳優であった(他のグループの同役も同じ言語を使うのか・・そこは気になる)。
    「村八分」「隣組」「竹槍訓練」・・非合理・非民主的で愚かな古い因習のイメージが現代に復活したことを知り、愕然とした日本版「コロナの時代」であったが、そんな事で初読時は「その他大勢」の村人を敢えて「悪く」描いて主人公の被害者性=ヒロイズムを強調したかに見えたこのお話に、全く違和感なく見入ったという訳であった。

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    2020/08/04 05:33

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