満足度★★★★
鑑賞日2020/03/13 (金) 19:30
価格3,300円
過去3回feblaboプロデュースで上演された作品の脚本家自身の演出による「セルフカバー」。
アフタートークでの南さんの弁によれば「彼らの日常を描きたくて」加筆された部分がfeblabo版と較べてコミカルな味わいを出したように思う。
そして南さんが意識した/しないにかかわらず「十二人の怒れる男」を想起させる部分が散見され、あの作品を知っている者の特権か、とも改めて。(笑)
観ているうちに劇中の議論にすっかり引き込まれて「入れ子構造にしなくても十分面白いのでは?」と思ってしまうが、終盤からラストまで入れ子構造による面白さがこれでもかと言わんばかりに押し寄せてくる構造が巧み。(何度観てもそう思う)
また、舞台が「安宅市」なのにもちゃんと意味があり、劇中会議のある人物の名前と相俟っていくつかの部分の伏線になっているのも「ワカるヤツだけワカればイイ」的で楽しい。
しかし「十二人の怒れる男」に出てくる、議論が膠着した時の「あの提案」は劣勢な側がするからフェアなのであって、優勢な側がそれを言い出すのは圧力なのではないか?(本作を含めて3本くらいの会議劇でやってしまっているけれども)