満足度★★★★
久々のらまのだ観劇。新人戯曲賞をとる前に観て、それ以来だから4年近く経った。過去観た3公演とも、労働と無縁でありえない人間の現代的なありようを極小的に描いて掬い上げている、との印象。今回もその印象大だが、それぞれタッチの異なる3作品のオムニバスで、コンテンツ的には贅沢。2番目がより長編で人物も多く、労組が死に体である日本で完全弱者となった下請、被雇用者という構造上の矛盾や、表現コードと自粛の問題が反面教師的に展開。1、3はほぼ二人芝居で描写される世界の極小度は高いが、ディテイルが醸す味わいに吸い寄せられる。説明不足を感じる事がままあるユニットのその印象は劇の閉じ方が影響。今回は軟着陸。憲法をテーマに括っているのはややこじつけ感。「個」の描写に傾注した作劇でも社会の中に生きる人間が象られている。