満足度★★★★
いろいろ考えさせる舞台でした。解釈や想起
させられることの多様性を許す作品はそれだけ豊かで優れているものと思います。観劇後、少したってからは"言葉"というものについて考えることしきりでした。言葉は大切にしなくてはいけない、というのはわざわざ演劇をやったり観にいったりする人間にはあたりまえのことてすが、それでも不可避に私たちの放った言葉は他者の中で独自の意味や重さを持って私たちを突き放すようにふるまってしまうことがあります。そういったことが決定的な形で現実化、実体化することがあるわけです。それは言葉を受ける一人一人が独自の独立した人間であるから当たり前なことなのですが、人間存在や他者との関係性といったものにおける絶望的な孤独感を産むものだったりするわけです。劇中、最後に主人公はある人の言葉に対し対し激怒します。しかしその言葉は自分が過去に守るべき人に対して放った言葉と同じなのです。彼は本当は何に対してキレてしまったののでしょうか。生きるってつらいね。