満足度★★★
■約105分■
ろくでなしのくせして地位とプライドだけは高かった故人の体面を取り繕うため、残された妻と息子が苦労する話。現代日本に通ずる部分がなくもないが、ヨーロッパの地域性、書き手の生きた時代の時代性が強く出すぎていて、作品世界に没入することができなかったのが残念。牧師が重要な役割を果たすような物語は、キリスト教の影が薄い日本に住む者には取っつきにくいし、今よりもずっとずっと体面が大事だった時代の空気は、現代に生きる者には理解しづらい。演出・演技は抜かりなく、上演成果は上々だったと思うけれど、やっぱり劇って、脚本に同調できないと味わいつくせない。