社会の柱 公演情報 新国立劇場演劇研修所「社会の柱」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    大作に挑んだ第13期修了公演。見応えあり。彼らが演じてこそのこの作品、という印象も。
    幻想劇を書いていたイプセンが現代劇の作家となる転機の作品、とパンフあったが、昨年上演のあった「リーグ・オブ・ユース~青年同盟~」(雷ストレンジャーズ)がむしろ転換期の作品で、今作は既に現代社会劇の範疇に思えた。39歳で「ペールギュント」を書き、上記の作を経てその十年後に「社会の柱」、となっている。以後間をおかず「人形の家」「幽霊」「民衆の敵」とイプセンの代名詞となる作品が続くが、その始点と言える「社会の柱」が初々しく感じられるのは、人間の良心に頼んでのハッピーエンドだからか。
    こううまくは行かない、と思える余地が多分にあっても、卑小な人間を新人らが体当たりで演じる姿はいささか出来すぎた結末も感動をもって受け取れた。この町随一の有力者という地位と富を危うくしてでも真実を告白するに至った男、カルステンの爪の垢をこの国のトップに進呈したい。

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    2020/02/28 08:26

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